こんにちは僕ぽち丸。
「心」を「亡くす」と書いて忙しいと書く、と以前見たのは何だったか。
人間、あまりに忙しいと心の余裕がなくなりますよね。
仕事の忙しさを分析すると、進行しなきゃいけない仕事が客や下請けからの問合せで進められなくなって、今日の午前中に完了しようとしてた仕事が午後に食い込み、午後に予定してた仕事が夕方に食い込み…とどんどん後手後手になっていって、翌日は後手に回った仕事の問合せが来て、二人いる上司のうちアホの方が「今の進行状況をエクセルにまとめて提出しろ」とか言い出してまたそれに時間を割き…という悪循環に陥るパターンが非常に多いことが分かります。
もちろん日や職種業種、やってる仕事の内容によりますけれど、とりあえず僕の場合はこんな感じです。
という訳で、ある意味で夕方だいたい7時以降になると、アホの上司も帰って各方面からの問合せもストップし、落ち着いて仕事を進められるようになるのです。
とは言え、実は落ち着いていると集中しているは別物だったりします。
そりゃ当然僕らだって人の子ですから、勤務時間が12時間越えて来ると集中力は途切れて仕事効率は落ち、かと言って翌日やろうとするとまた就業時間中は問合せで身動きが取れないのが目に見えてるので、どうにか片付けて帰らなきゃいけない。そんな純情な感情が3分の1も伝わらないようなジレンマと戦いながら手当ても出ない残業がんばってるわけですけどもね。
んでね、人間てのはそう言う状態が続くと何て言うかこう、精神が磨り減っちゃうんでしょうね。
まさに心を亡くして忙しいって感じで、何だか良く分からない奇行に走り始めるわけですよ。
うちの部署で夜9時以降まで残業してるのって、だいたい僕と先輩A、後輩B、後輩Cの4人なんですけどね。
派遣やパートさんや女性社員がだいたい7時前に帰り、上司が8時ごろに帰り、省エネのためにエアコンの風力が小さくなるとどーにも暑くなるもので、それにスーツやらネクタイやらシャツがどうしても窮屈なもので、誰からとも無く脱ぎ始めるわけです。
そんでまあ、基本的にみんなパンイチで仕事してるんですけど、全く集中できないけど自分の仕事何とか片付けて帰ることしか考えてない状態なもんで、時々ヒョーとかキェエエとかぬわーっとか奇声が上がっても誰も何も気にせず死んだ目をしながら黙々と仕事してるんです。(集中は出来てませんが)
んで、先週の金曜日はその四人の中でたまたま僕が一番早く帰れたんですけど、帰り際に何となく見てみると、パンイチで仕事しながらみんな思い思いの奇行に走ってるんですよね。
まず先輩A。
服脱ぐと同時に僕がYoutubeとかで作業用のBGMみたいな感じで、何かのPVとか流してるんですけれど、貧乏ゆすりなのかリズムに乗ってるのか分からないけどユサユサ縦揺れしながら時々「ブフッwww」「フォホッwwwww」って良く分からない笑い声らしきものをあげてるんですよね。
ちなみに先輩A、結婚されててもうすぐパパだそうですが、お子さんの将来が割りとマジに心配です。
後輩B。
後輩Cと話しながら、ゴミ箱を裏返しに置いてひたすら踏み台昇降運動をしつつ資料をまとめてます。超仕事やりにくそうです。
コピー機とか社内の郵送物入れに行くときは
キャリオカで走っていきます。
日中はパソコン前に座りっぱなしでほとんど動かないため、エコノミー症候群対策の運動だそうです。
後輩C。
同期のBと話してるんですが、お互い集中力は途切れながらも仕事しながらなもので、会話が全くと言っていいほどかみ合ってないんですよ。何て言えばいいのか難しいんですが、
B「なぁー、C-」
C「んー?」
B「今日の晩飯ラーメンとカレーとどっちがいいと思う?」
C「チキン派?ビーフ派?ポーク派?」
B「ココイチ」
C「チーズ入れちゃダメだよね」
B「おいチーズさんをバカにするな」
C「いやだって牛丼にチーズとかもあり得ないじゃん。普通パンと食うじゃん」
B「ピザはパンじゃないけどチーズがないと話にならないぞ」
C「ピザはパンだろ」
B「ピザはパンじゃないよ」
C「ピザパンて知らないのか。あれパンだろ」
B「ピザまんはまんだぞ」
C「ピザって10回言ってみて」
B「ピッツァ、ピッツァ、モッツァレルァ、ゴルゴンゾーッルァ、アルパチーノ、スワロフスキー」(巻き舌)
C「カルボナールァ、ペペルォンチーノ、フラペチーノ、キャラメルマキアート」(巻き舌)
B「あ、ドロリッチ飲みてぇ。コンビニ行って来るわ」
C「ピザまん買って来て」
大体こんな感じ。
いやまあ、そりゃちょっとは盛ってますけど、マジでこのレベルで会話がかみ合ってないように聞こえるんですよ。でも同期の二人にとってはこれで会話が成立してるみたいなんです。
僕はと言えば、さっき書いた作業用BGMに合わせてカラオケ熱唱しながら仕事してるだけと言う4人の中で一番マトモな感じなんですけどね。
曲によりますけど、僕が熱唱してると全員で合いの手いれて来るんですよ。「ダイヤモンドだねーああ(あぁ)いくつかの場ー面ー」の(あぁ)とかね。
一人でヘラヘラわらいながら仕事してる先輩Aはともかく、話をしてるBとCも会話を止めて合いの手を入れて、それでまた何事も無かったかのように話し出すと言う、なんかみんな聞く気は一切無いけど聞いてるフリだけしとけみたいな、ジャイアンリサイタル的な雰囲気なわけですよ。
そう、困った事にね、ツッコミが不在なんですよ。この関西においてツッコミ不在と言うのがどれだけの異常事態か。
例えるなら「戦争しに来たはいいけど全員衛生兵でした」みたいな、「バンド始めようと思ってメンバー募集したら全員ボーカルでした」みたいな、マクドナルド行ったら「すみません今日肉が切れたのでハンバーガーありません」って言われたみたいな、何か例えれば例えるほどだんだん分からなくなっていきますけど、まあとりあえず大変な事なわけです。
と言うのが、もうみんなそもそも精神的に追い詰められて特にボケてるつもりも無いんですよね。
何かもう、やってもやっても仕事が終わらず、暇になる時期も分からない。そりゃもう奇行に走らないと精神面が保てなくって、それでいて他人の奇行に構う余裕も無いんですよ。
僕だって、金曜日たまたま他の3人より早く帰れてなけりゃ、ツッコミ不足がこれほど切実だなんて思いもしなかったからね。何かこう、あのふと我に返った瞬間の言いようの無い不安感ときたら。
みんなパンイチだし変な事してるし、だからつって僕がツッコミ入れようにもふと我に返っただけで似たような事してるわけだし、なんかもうこれどうすりゃ良いの俺みたいな。
また今夜も心を亡くした紳士たちの夜会が開かれることでしょう。
早急にツッコミ役をスカウトする必要性を感じつつ、今日のBGM何にしようかなーと考えているぽち丸なのでした。
[2回]
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