こんにちは僕ぽち丸。
前回の記事で43歳離婚寸前別居中大学生の子持ちのめぐさん(仮名)からロックオンされたらしいぽち丸。
ぽち丸は特大の地雷どころか、相手の方から凄い勢いで突っ込んでくるナパーム弾を回避する事ができるのか?それとも見事に着弾炎上し28歳にしていきなり大学1年生の息子が出来てしまうのか!?
先日の事。
紹介してくれた先輩の顔を潰すわけには行かないので、いきなり着信拒否なんかをするわけにも行かず、返事したりしなかったりしながら徐々に頻度を落として行ってフェイドアウト・・・と考えていたぽち丸に、ナパームから着信アリ。
家で育てているガジュマルになんかカイワレみたいなのが生えてきたので写真を撮ろうと携帯をいじってたのでそのまま取ってしまいました。
ナパーム「もしもし?」
ぽち丸「うぇ?あ、はい?」
ナパーム「うぇ?じゃねーよ」
なにこのひとこわい
ナパーム「ぽち丸さん、今何してる?」
ぽち丸「(くっ、この質問は恐らくフェイク!直接目的を言うと俺が避けられる可能性があると判断して、こちらの情報を先に押さえ断る理由の選択肢を狭め、回避出来ないようにロックしてからナパームを投下するに違いない。ここで家に居るとか言ってしまえば『今神戸だからから一緒に晩御飯でも・・・』と言う話になるし、着信から1コール以内で出てしまったことによりまだ仕事中と言う言い訳も使いづらい。と言う事は、現在の状況を加味しつつその後誘い難い状況であるとアピールしなければならない。つまり俺の答えは・・・!)今家で飯食い終わって風呂も入ってまったりしてますー」
ナパーム「あ、そうなんだー!私も一緒にまったりしようかなー」
ぽち丸「(なんだ、家に居るのか。ただ単に中身の無い雑談をするために掛けてきたんだな。心配して損したぜ)いいですねー。ゴロゴロしましょう」
ナパーム「今ね、○○駅(ぽち丸の家の最寄)に居るの。お家に遊びに行っちゃダメかな?一緒にゴロゴロしよーw」
ぽち丸「(なっ、何ィ!こいつ、出来る!?侵攻が早すぎるぞ、電撃作戦か!こちらの想定より深く踏み込んでから情報開示して畳みかけ、こちらの選択肢を奪うだと!?ここで断ると『最寄り駅まで来させて帰らせるひどい男』と先輩にクレームが入るのだろう。つまりこの時点で今日は会わないで助かる方法は残されて無い。更にあえて『行っちゃダメ?』と拒否しづらい否定疑問文を使ってこちらに擬似選択肢を与える事により俺の口から『来ても構わない』と言う言質を取って、あくまで俺が誘ったと言う体にして自分の責任を回避するとはかなりの手練れ!くっ、家を特定されたら次回は玄関をあけた瞬間に『来ちゃった・・・』とか言われかねない。こいつに家がバレる事は避けなければならない。水際作戦でなんとしても上陸を阻止しなければ!気付かないうちにいつの間にか防戦一方に追い込まれるとは、こいつ何て女子力してやがる!)マジっすかwあ、じゃあとりあえず駅まで出ますねw」
ナパーム、マジ孔明。
「会うとヤバいから会わないようにしよう」と言うこちらの意識を逆手に取り会わざるを得ない状況に導くとは、完全に僕より1枚も2枚も上手です。
僕はこんな女子力高い相手に防ぎきる事ができるのか!?
とりあえず、部屋に来させる意志が無い事を暗にアピールする為に部屋着であるジャージを脱ぎ、革ジャンに脱ぎにくいブーツ、そして香水も使い、徒歩2分の駅まで迎えに行ってすぐ部屋に戻るつもりならば明らかに必要ないであろう外出用装備で出かけました。
ナパーム「こないだよりオシャレだねーwwかっこいいじゃんww」
ぽち丸「(くっ、これはもしや裏目だったか?いや、これだけ女子力の高い相手だ。俺の家が駅近と言う情報を知っている以上、こんなあからさまな外出着で来た意味は分かっているはず)ナパームさん、なんか俺久しぶりにすげーカラオケ行きたくってwでも最近一緒に行ってくれる友達とかもあんまりいないし、電話くれたの超タイミング良かったっすわwwカラオケ付き合ってくれませんか?」
ナパーム「・・・」
ぽち丸「・・・」
ナパーム「・・・いいよ、行こうかw」
ぽち丸「(よっしゃ、初弾回避成功!)あざーすwww」
と言うわけでカラオケへ。
店員「ご利用時間は?」
ぽち丸「(ナパームも俺も明日は仕事。と言う事はナパームの終電近くまで、つまりあと3時間粘れば俺の勝ちだ。しかし、二人で3時間は長すぎる。それにナパームはさっさと切り上げて家に来たがるだろう。いきなり3時間と指定するのは中々ハードルが高いな。よし、盛り上がって延長してたらいつの間にか3時間も経っちゃった作戦で行くか・・・)えーっと・・・」
ナパーム「1時間くらいでいいんじゃない?私あんまり歌わないからぽち丸さんいっぱい歌ってよ」
ぽち丸「(・・・やはり最初に『あんまり歌わない』宣言してきたな。カラオケを巻きで終わらせる気だ。ここまでは想定どおり。後は俺の腕次第ってとこか・・・)じゃあ1時間でー」
部屋に移動しながら、今回のミッションを確認していきます。
ぽち丸(ナパームは早くカラオケを切り上げたい。と言う事は、受付からのコールをナパームが取ってしまうとそこで終わる。受付からのコールを俺が取る為には、①座席は俺がドア側のインターホンに近い方に座らなければならない。②受付からのコールが来る時間に俺が歌っていてはいけない。③延長する理由に足りるほど盛り上がらなければならない。・・・①は俺が先に歩いているから簡単だ。問題は②と③だな。ナパームがほとんど歌わない宣言してる以上、大半俺が歌うことになる。しかし逆に考えると、コールが来る時間に『連続で歌ったから次はナパームさんが歌ってよ』と言うフリを入れやすいとも考えられる。後は俺が歌う曲で時間を調整すれば難しいが不可能ではない。③は、正直言って二人でそこまで盛り上げるのは厳しい。持ち歌のレパートリーにも限界があるし、簡単に盛り上がることが出来る『みんなで合唱』が使えない。それに、ナパームは恐らくノリの良い曲を歌っても乗って来ない。俺が知ってる歌とのジェネレーションギャップもあるだろう。ここが至難の業だな・・・しかし、少なくとも俺だけは『まだまだ歌いたい曲たくさんある』と言う体でいなければ、歌う曲のレパートリーが尽きたらその時点で試合終了です。更に言うならば、恋だの愛だの言ってる切ない曲やスローテンポなバラードとかは鬼門だ。上手いかどうかは別問題として、曲のムードに酔って落とされたフリをしたナパームに突破口を与えてしまう恐れがある。慎重に選曲しなければ・・・!)
予定通りインターホンに近いドア側の席に座ったぽち丸。
ナパームは真向かいではなく隣でもない、やや斜めの位置に腰掛けました。
ナパーム「はい、ぽち丸さん歌って歌ってー!」
ぽち丸「(心理的距離は物理的距離に比例する。真正面だとテーブルが邪魔で物理的距離が遠ざかるし、いきなり隣に座ると警戒される。よそよそしくも無くかと言って警戒心も与えない距離を保ちつつ、デンモクを持って『はい、何歌う?入力してあげるー』とさり気なく擦り寄る事も、さりげないボディータッチもワンアクションで行える絶妙の位置だ。対して俺はインターホンのほぼ真下、つまりU字に置かれたソファーのほぼ端の位置。この位置に座らざるを得なかったとは言え、ここから更にナパームとの物理的距離をあける事は出来ない・・・さすが、基本はキッチリ押さえてくるな。)はーい、何歌おうかなー迷うなー」
こうして奇跡のカーニバルが開幕しました。
オレンジレンジ、BLUE HARTS、ユニコーンなど、ナパームもギリギリ知ってるかテレビでサビくらいは聞いた事はあるであろう曲の中から、初見(初聴かな?)でも歌いやすい曲をチョイス。
他には、
・迷ってるフリをして選曲にやたら時間をかける
・間奏が長い曲を選ぶ
・決して多くないレパートリーを何とか回すためにわざと知らない曲を選び、「あれっ?歌いたいのこの曲じゃないや」→演奏取り消しで時間稼ぎ
・同じ理由で、歌い出しのサビの部分しか知らない曲を入れて「ナパームさんこの曲知ってる?あれ、知らないのか」→演奏取り消しで時間稼ぎ
・受付からのコールが掛かってくる時にナパームが歌っているように時間調整
・受付からコールが来る頃にだけ予約を5曲くらい入れてまだ歌い足りないから延長しますアピール。
これらのテクニックをフル活用してカラオケの時間を引き延ばし。
対してナパームは、
・僕に「歌ってよ」と言われるまで入力しない
・静かで落ち着いた切ない曲で雰囲気を作ろうとする
・「こういう曲はムードが大事だからww」と言って、電気を暗くする。必要以上にカラオケを盛り上げない為であるのはもちろん、接近した際の小じわを誤魔化す為だと思われる。
・その際、さり気なく僕の肩に手を置いて覆いかぶさるようにスイッチに手を伸ばす
・ちょうど僕の目の前にナパームの寄せて上げたおっぱいが来る体勢
・歌ってる最中に「あーここわかんない!助けて!」とデュエット強制
・デュエット中さり気なく横に来て、肩を揺らす。いつの間にか頭も預ける。
このようなスナップの効いた小ワザを繰り出してきたわけです。
相手は百戦錬磨の怪物。僕より一枚も二枚も上手の推定女子力53万の兵(つわもの)。
最初から僕には荷が重い相手です。
時間延長は何とかクリアしたものの、段々と歌える曲も尽きてきて、ナパームに主導権を握られだしました。
すなわち、恋人同士でカラオケに来ているかのような、いとしのエリーのエリーの部分をナパームの名前にして歌うような、そんなスイートな雰囲気。
ナパーム「はい、次何歌う?」
ぽち丸「(くっ、こいつ・・・俺のレパートリーが尽きて歌う曲がなくなるのを待ってやがったな・・・!だんだんと選曲に時間がかかるようになってきているのも分かっているだろう。何とか延長まではこぎ付けたが、このままでは時短でカラオケを切り上げて家に来る流れになってしまう。かと言ってバラードとか歌ってしまおうもんなら、ナパームが落とされたフリして体を預けてきたりしかねない。いや、奴の女子力からして恐らく軽く唇ぐらいは奪われるだろう。このムーディな雰囲気を壊そうとしても奴の女子力に阻まれてしまう。何か方法は・・・ま、待てよ?もしかしたら・・・)・・・真夏の果実で・・・」
ぽち丸、ここで苦渋の選択。ついにバラードを歌いだしました。
そこからひたすらバラード。
とうとうナパームの女子力に屈し、カラオケの部屋内を覆いつくす良いムードを更に加速させるかのようにバラードを歌い続けるぽち丸。
ほとんどの歌詞で歌われてる「君」と言う言葉を、自分に見立てて歌っている事を察知して感動していると言う体でうっとりしているナパーム。恐らく奴は、こちらに体を預けるタイミングを計っているのでしょう。
画面の方を向き(つまりナパームに完全に背を向けて)ひたすら画面に集中して歌うぽち丸。
うっとりとした表情でいつの間にか間合いを詰め、ぽち丸のすぐ隣に来ていたナパーム。
ナパーム「ぽち丸さん、歌うまいね・・・」(※別に上手くも無い。感動したフリ)
ぽち丸「ナパームさん・・・(あえて自分からは来ず、こちらがアクションを起こせばすぐ落ちると言う位置にいることをアピールして狩猟本能を刺激し、あくまで『俺が自分の意志で最後の一押しをした』と言う形に持って行こうとしているのか。つまり、こちらのアクションを起こさせる事で『俺が口説いた』→『つまり俺はこいつが好き』と言う逆説的なインプリンティングを行おうとしているんだな。さらに擬似的に相手から惚れたと言う形を作り、交際開始後のイニシアティブも取れるというまさに一石二鳥の作戦。何と言う冷静な計算なんだ!しかし、だがしかし・・・・!)」
ぽち丸「そろそろ終電ヤバいんじゃないッスか?wwwwwwwwwwwww」
ナパーム「えっ、あっ!?ホントだ!やばいー!!」
そう。
僕はあえてナパームの作戦に乗っかり、カラオケの部屋内の恋人的空気をひたすら盛り上げる事によってナパームの意識を当初の目的である「ぽち丸の家」から逸らし、「カラオケ内での攻防」にシフトさせたのです。
こうして、僕とナパームの死闘は幕を閉じました。
しかし、本当にギリギリの勝負。もし終電が30分遅ければ、もし僕の作戦が少しでもミスっていれば、僕はナパームに爆撃を食らっていたかもしれません。
恐らくナパームは43歳と言う年齢、まだ離婚届は提出しておらず別居中、大学生の子持ちと言う自分のステータスを正確に把握しているのだと思います。(唯一、野際陽子+上沼恵美子÷2みたいな容姿を松嶋奈々子だと言い張ってるのは本気かどうか判別できません)
その上で、「相手を惚れさせる」ではなく、「相手の逃げ道を奪う」と言う方面に特化した狩猟スタイルを確立しているのでしょう。本当に恐ろしいほどの強敵です。
次回も無事防ぎきる事が出来るのか?それとも、ナパームに爆撃されてしまうのか!?
第参話
見
し
ら
ぬ、天井(ラブホの)
この次も、サービスサービスぅ!!
[2回]
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